2018年02月19日

読了『落語でつかむ話し方の極意』立川こはる・野村亮太


 「落語をやる」というのは玄人だけの話であって、我々素人は大人しく聞くもの、というイメージがあったけれど。
 なんと本書は、素人が「落語をやる」ための本。しかも「落語をやる」ことを通して、普段の話術に使えるようにしてくれている。

 読むと、どこで「間」を作るのか、具体例も教えてくれる。実際のやり方もある。
 ボクはこれで初めて「間」について分かった気がする。
 なんとも親切で、珍しい本じゃなかろうか。

posted by はまさん at 22:43| Comment(0) | 感想的(作劇・文学論)

2018年02月18日

読了『人はなぜ物語を求めるのか』千野帽子


 本書の内容は大まかに、以下のみっつに分かれる。

@物語はどのように機能するのか。
A物語の心理的作用。
B物語の心理的作用に振り回されない生き方。

 先に言っておくと。創作に役立つのは@までだ。AとBに関しては、物語の危険性について説明した、むしろ否定論といって良い。

 ボクも一応は創作者側の人間なので分かってはいる。物語の作劇術とは、洗脳術に近くなる。
 本書はそうした、物語が人を支配する時代への警鐘といったところだろう。

 けどね? じゃあと「面白さ」を物語から排除しても、そんなの前衛的過ぎて面白くない。誰も読まないわけですよ。
 ならば物語の洗脳術を一般に広めて、危機感を持ってもらえるようになったとしても。別の創作家が新たな洗脳術を編み出して、いたちごっこだろうし。
 物語がこの世からなくなったとしても。他の洗脳術が現れますよ、絶対に。

 じゃあ、どうするか。まで本書で追求してほしかったかもなあ。

posted by はまさん at 23:25| Comment(0) | 感想的(思想・哲学)

2018年02月17日

小説更新『魔女集会で会いに来て』

 突然、アイデアが来たので書きました。最近流行の「魔女集会」ものになります。不易流行には自分から積極的に流されるタチの人間、それがボク。
 ひとつ、工夫という程じゃないんですが。出会いから始まるものが多い「魔女集会」ものにおいて、過去から始めない構成にしてみました。

https://ncode.syosetu.com/n7428eo/
posted by はまさん at 00:23| Comment(0) | 創作(オリジナル的)

2018年02月16日

読了『ビジュアル版近代日本 移民の歴史4 アジア〜満州・東南アジア』

 子供向けの本なのだけど……いやー、きっついわー。
 基本はやはり、貧しさから来る、口減らしに身売り。政府が国民を奴隷として売ったり、外国から奴隷として買ったり。

 満州移民もつまりは同じ、口減らし。
 五族協和とか王道楽土とかね、お偉いサンの考えたスローガンに過ぎない。満州移民で、昔から住んでいた土地を追い出された人たちが、そりゃいるわ、そりゃ怨まれるわ。
 なんだ、日本人もイスラエルみたいなことしてたんじゃん。

 移民の後には一時的な好景気以上の、遺恨が今なお残る。
 最近よく経済界のお偉いサンが移民の受け入れを推奨しているけれど。やはり、うかつにやっちゃダメね。歴史がそれを証明していた。

posted by はまさん at 00:45| Comment(0) | 感想的(歴史)

2018年02月15日

読了『安岡正篤一日一言』安岡正泰

 この安岡正篤という人。昭和最大の黒幕と呼ばれたりしているんだが、皆さん各人でちょっと調べてみると面白いかもしれない。

 じゃあ、どんな考えを持った人なのかと読んでみたのだけれど。読み進めるうち……どうも最近になって始まった、学校の道徳科目。もしかして、この人が元ネタなんじゃなかろうか、と思えてきた。
 確かに昭和の大物政治家たちに影響を与えてきた人だし。それはあるのかもしれない。
 けど、それほどに素晴らしい教えなのか? 時代を超えた思想なのか? となると話は違ってくる。

 ものすごい大雑把な話。江戸時代後期にかけて国学てのがあって、日本の古典を勉強しようという人たちがいた。
 するとそのうち、日本独特の精神だということで天皇万歳とか言い出して。まあ尊皇攘夷運動になったり。廃仏毀釈をやらかしたりした。

 恐らくこの安岡という人は、そうした当時の風潮に合致した、最新流行の思想家だったのだろうなと。
 本書を読んでいて、何度も理論の矛盾や、安岡という人の横柄な態度が気になってしまう。
 他人を戒めている自分の言葉に、当の自分も当てはまっているのに気づいてませんよ、てなことが何度もある。

 人徳や人を見る目に関して、伝説のように語られている人だけど。これ絶対、生徒の中にかなりの「いらんことしぃ」もいたはず。
 というかそれほどの完璧超人だったならば。前の戦争だって、ああまで致命的な結果にはならなかっただろうし。
 ……第一、本当の超人だったならば。老いらくの恋の相手があの人て!? ないわー。

 というわけで、まあ頭は良いけれど、それ以上に時代と周囲が持ち上げてくれた人なのだろうなと感じた。
 現代に通用するとは限らないけれど。昭和を形作った空気、その空気の元となった思想とは、どのようなものだったのか。知るための参考になりました。

posted by はまさん at 22:21| Comment(0) | 感想的(思想・哲学)