2016年10月19日

読了『歴史を味方にしよう』童門冬二

 学校で勉強する歴史とはボクにとって、年号の羅列といった、無味乾燥なものだった。だから大人になってから気付く。実は歴史って、人生の役に立つのだと。そして、真面目に勉強しとけば良かったと後悔するのだ。

 本書はそうした、学校で教えてくれなかった知識。人生に歴史を役立てる方法に、興味のある歴史を学ぶ方法。
 つまりは「実学」としての歴史に関するものだ。

 だから大人としても勉強になるし。子供の歴史学習にも、興味を持たせる一助になるだろう。良書だ。

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2016年10月12日

読了『蒋介石の密使・辻政信』渡辺望


 大戦期には、とかく怪人魔人と呼ぶべき人々が、特に政治の場で跳梁跋扈しているが。皆さんもこの、辻という人物を知っていて欲しい。最低でもwikiの目次だけでも読んでみよう。唖然とするはずだから。
 大戦期日本の、まさに怪人だ。

 読むうちに「やる気はあるが無能な味方は、敵よりも恐ろしい」とはこのことかと身震いしそうになる。
 きっと本人、ヒロイズムの人だったんじゃなかろうか。でもヒーローにはなれなかった。で仕方ないから、他人に理想を押しつけるしかない。
 そんな人「あるある」だよね。けど理想主義が無制限に拡大してしまったら、どうなるか。
 まさか「口だけ」で軍をも振り回してしまうとは。

 しかし彼の残した最大の遺恨は、戦後何十年と経った今なお、その弊害が残っていることだ。
 もしも「戦後の亡霊」なんてものが実在するとしたら。それは辻の姿をしているに違いない。

 日本をディスるデマを流しつつ。そのくせ中国をリスペクトしたりする。全ては自らの保身と見栄のため。
 この辻は政治家の「典型(ロールモデル)」として、今の日本にも信望者がまだまだ残っているはずだ。

 彼の残した「偉業」こそ、今こそ歴史の教科書に載せるべきだろう。
 大いなる反面教師として。

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2016年10月03日

読了『有坂銃 日露戦争の本当の勝因』兵頭二十八

 戦争と軍事という究極のリアリズムの場を、しかし見栄とコネがいかに支配するか。
 ましてや新兵器の開発なんて、最初から上手く行かなくて当然の事案。「こんなこともあろうかと!」と充実した兵站を用意できることの、どれだけ難しいことか。

 先見の明を持っていたとしても、組織の中で上手く行かない。当時の苦労がしのばれる。

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2015年12月02日

読了『日本共産党と中韓』筆坂秀世

 著者はつくづく真面目な人なんだろうな、と読みながら感じた。ともかく文献の読み込みがハンパない。
 だから……余計に許せなくなったのだろう。同士の二枚舌に。

 後半は基本的にどうでも良い。ネトウヨ系のニュースブログでもありがちな内容だった。
 もちろん文献の読み込みは凄いのだけれど。

 注目すべきは前半だ。
 共産党の歴史を、中にいた当事者として、党の文献を元に語っている。
 まさか共産党の歴史が、近代日本史上、こんな大切だったなんて。驚いた。本当なら教科書に載せないといけないよね。
 ……まあ載せるワケないけど。歴史といっても、むしろ「闇」に属するのだから。

 共産党の中にいれば当たり前だったのが。外部からすれば特殊な感覚も、党を離れた今だからこそ、客観的に説明もされている。
 素晴らしい史料だった。

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2015年09月23日

読了『こんにちは、ユダヤ人です』ロジャー・パルバース/四方田犬彦

 ユダヤに関する本を一冊読んだけど、それだけでは分からないから、更に調べることに。すると本書は、ユダヤ人の暮らしから解説がなされていた。これこれ、こういうことが読みたかった。
 ただ、いくつかのツッコミ所が残る。

 ユダヤを語るのに、ユダヤの偉人を紹介するのは構わないのだけど、どうにも違和感が残る。それって、「最強の格闘技は何か」論議みたいなものじゃないかと。つまりは、強い人がいるだけで、強い格闘技なんてないんじゃないか。ユダヤだから偉大なのではない。偉大な人の中にいくらかユダヤがいたというだけじゃないか、という気がする。
 まあ、これは「日本人のここがすごい」論議も根は同じだから、ボクらも注意しなくては。
 だから気になるのが、イスラエルはユダヤ的なじゃないとふたりが評していることだ。結局は自分個人にとっての美点を勝手に投影して、ユダヤ的だと称しているに過ぎない。違うよね。両方ともユダヤに変わりないじゃないか。

 ところで本書最大の問題点なのだが。日本人側の人が、すぐ話題を脱線する。脱線して日本DISを始める。DISが酷すぎて、相手にたしなめられるくらいだ。辟易する。本題であるユダヤの話をしてくれ。
 結局この方は、フランス革命以降の近代的国民国家が全て許せないのだろう。そこに戦後日本の左派インテリ独特な偏見も加わり、だから日本もダメ。そしてアウトサイダーは素晴らしい。評価軸が二元論になっている。
 あげくは古代の帝国は寛容だったとなるが。思わず、いやいやいや、ってなる。

 と不満は残るものの。
 椅子耐えるという国家の社会問題、空気感、歪みなど。とても参考になった。

posted by はまさん at 09:23| Comment(0) | 感想的(歴史)