2007年01月18日

はま受験 小論文作法編 : 12/小論文はオチが命(3)

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 具体的にオチを作るのためにはどうすれば良いのか。実例を挙げながらお教えしましょう。

 日常会話を想像してください。
 AさんがBさんに「釣りに行った」と話しかけました。ですが、話しかけただけでは会話は成り立ちません。会話が続くためには、Bさんが「それで?」と返す必要があります。
 するとAさんは、Bさんの問いかけに対して「そうしたら、大物が釣れたんだ」と言葉を投げ返す。これで会話のキャッチボール成立です。
「釣りに行った」+「それで?」=「大物が釣れたんだ」

 しかしこの会話では、あまりにAさんの言葉の投げかけ方が、乱暴すぎますね。もしもBさんが「それで?」と言葉を投げ返してくれなければ、会話が成り立っていなかったことでしょう。つまりAさんは、Bさんの好意に甘えた会話の仕方をしていた。Bさんのために話を投げかけていなかった、と言うことになります。
 もしもこれで、Bさんが「ふーん」とだけ答えて、話を止めてしまったとしたら。ふたりの会話は成り立っていなかったでしょう。
 そこで、これならばどうでしょう。
Aさん「釣りに行ったんだ。すると、どうしたと思う?」
Bさん「それで? わからないな、教えてくれよ」
Aさん「大物が釣れたんだ」

 Aさんの会話の目的を予想するならば恐らく、Bさんに大物を釣り上げた喜びを分かち合うことでしょう。これなら素直にBさんも「へぇ〜、すごいなあ」とか、Aさんの釣果に対して関心することが出来ますね。

 ならば応用です。もしもこの一連の会話に、「大物が釣れた」と言うオチが用意されていなかったとしたら、どうなるでしょうか。
「釣りに行った」「それで?」「いや、それだけで特に他にはない」

 Bさんは「だからどうした」としか答えられないでしょうね。単なるAさんの報告・連絡になって、会話にはなりません。

 更に考えてみましょう。もしもAさんが「釣りに行ったら、大物が釣れた」と、釣りに行った結果まで最初から説明してしまったとしたら、どうなるでしょうか。会話として成立させるには、相手であるBさんの「それで?」に答えるために、更なるオチが必要となることでしょう。
 今のままではBさんが「あーはいはい、良かったね」と返して終わってしまいます。

 以上までの説明を読んで、勘違いしないよう注意して欲しいのですが。別に、必ず要点を最後に言わなくてはならない、と言うわけではありません。重要なのは、会話相手の「それで?」に対する返答を用意する。相手が会話に参加する余地を用意してあげる、と言うことになります。
 会話を成立したければ、「話す」だけでは不充分です。相手の反応を期待し想定して、「話し《かける》」ことが必要なのです。
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2007年01月17日

はま受験 小論文作法編 : 11/小論文はオチが命(2)

目次:http://blogs.dion.ne.jp/hamalog/archives/3795085.html
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 小論文の足すとには必ず《オチ》を用意しましょう。これだけで、あら不思議。しっかりした構成の小論文に見えてきます。
 もっと具体的に説明すると。読者に「へぇ〜」と言わせることが、オチの目的だと思ってください。そしてオチの目的と言うことは、イコール小論文の目的でもあります。すなわち小論文の目的とは、読み終わった人に「へぇ」と感じさせることなのです。

 では、その「へぇ」と言わせるためには、どうすれば良いのか。
 まず大事なのは、あなたが書いた小論文を読んだ人が、どのように感じるのかをイメージすることです。自分が読者になったつもりになって、このように、自分自身へ尋ねてください。
「ふーん、それでどうしたの?」

 そう読者に訊かれたら、文中のココが結論なんですヨと、自分でも答えられるようにしておく。つまり小論文の「それでどうしたの?」に対する、「なので」もしくは「だから」を、きちんと用意しておく。読者がこの文章を読んで、どのような問いかけを持つか。読者が求める情報を想定する。

 そして、この「それで?」と言う自問自答。論文を書く際は、必ず行ってください。「それで?」と言う問いに対する返答のない論文はたいてい、単なる情報の羅列になってしまいます。「それで?」に答えられない論文などと言うのは、ただ書いただけの「何か」に過ぎません。
 読んでくれた人が納得できない作品、評価してくれない作品に価値はありません。もちろん自分が好きで勝手に書くだけなら、自由でしょう。しかし今は、テストにおいて点数が獲れる小論文の書き方を考えているところです。高得点を獲る気がないのなら、小論文のテストなんて受けないでください。

 またオチとは、作者が特に伝えたい点であると同時に、読者が面白く読む点でもあります。つまりオチを想定して小論文を書くことで、論旨が自然と明確になると言う効果も生じます。
 卵が先か鶏が先か。「それで?」の問いに耐えられる論文は、自然と論脈も構成も整っているものなのです。

 結局は、自己反論を行うことにより、論に客観性を持たせる作業を怠ってはならない、と言うことなのでしょう。論文を書く際における基本中の基本ですね。
 実はボク、もしかすると奇抜な主張ばかりしているように見えるかもしれないけど、今までお教えしたことは全て、文章作法の基礎に基づいています。

 「言葉を投げかける」と言う行為は同時に、相手に「言葉を投げ返される」可能性を含みます。言葉の「投げかけ方」を工夫すると言うのは同時に、言葉の「投げ返され方」を想定する、と言うことでもあるのです。
 コミュニケーションとは、キャッチボールみたいなもの。相手の受けとめやすい投げ方をするのが、上手なキャッチボールの遊び方と言うものです。

 お笑いで喩えるなら。ボケっぱなしではいけません。《読者》と言う愛すべき相方に、「それで?」とツッコミを入れてもらわなくてはならない。でないと、素晴らしいオチに行き着くことは出来ないのです。
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2007年01月16日

はま受験 小論文作法編 : 10/小論文はオチが命(1)

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>小論文のテストで問われるのは「書き方」の方なのです。

 最初から答えておきます。この「書き方」とは即ち、構成のことです。

 小論文の採点方法がどうなっているのか、ボクが予想するにですね。内容で50点。構成で50点。それから誤字脱字による減点、を合計して決まるのだろうと思われます。
 このうち《内容》は、きちんと納得のできる理由が説明できているかによって決まる。この対策はもう既に説明させてもらいました。
 問題は構成の方です。

 しかし、構成とは何なのか。構成の概念を説明するのって、実は相当に難しいのです。
 確かに「序破急」の三段構成とか、「起承転結」の四段構成とか、あげくは「起承鋪叙結」の五段構成など。参考の型となる「構成法」なら誰にでも説明できるでしょう。しかし、ではどうして、そう言った構成法を守らなければならないのか。説明できる人は、まずいません。既に国語教育の域を超えています。

 ですから、皆さんは大して構成なんて気にしなくても良いです。その代わりに、構成なんて意識して小論文を書かなくても、これさえ守っていれば構成がきちんと出来ているっぽく読めてしまう。
 ごく単純な裏技をお教えしましょう。そのワザとは何かと言いますと。

 小論文のラストには必ず《オチ》を用意しましょう。オチさえ決まれば、構成は成功したも同然です。
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2007年01月13日

はま受験 小論文作法編 : 09/小論文に内容なんてないよー!

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 小論文が「書けない」と悩んでいたのは、実は正確に言えば「書くことがない」とか「書き方がわからない」だけである。「書き方がわからない」のは、おいおい憶えれば良いだけの話です。
 では「書くことがない」場合はどうすれば良いのか。
 一応はボクも対策法を考えたのですが……やっぱり、どうしようもないかもなぁ。ははははは。

 と放り投げるのも無責任なので、フォローはさせてもらうと。
 まず小論文の設問があります。その設問に対して、まずは自分の意見を決めておく。賛成か反対か。そうしたら、自分がそのような意見を持つようになった理由を書く。
 その理由すら思いつかなかったら、自分の経験談を語ると良いでしょう。つまり「このような経験を通して、そのような自分の意見を持つようになりました」と言うことになりますね。
 以上、内容の書き方に関する説明、終わりです。

……

 いえね、小論文で内容なんて、本っ当にどうでも良いんですよ。意見を持った理由の説明において、《説得力のレベル》さえ明らかに間違って使っていなければ問題ありません。もっと極端な言い方をするならば、いわゆる「電波系」でさえなければ構わないのです。
 これは討論[ディベート]の訓練を受けた人間なら知っていると思いますが。ディベートの練習では、例えばあるテーマに対して、まずは賛成の立場で討論を行う。すると次は反対としての立場で討論を行わされたりします。
 結局ね、しょせん《結論》なんて代替可能なものなのです。やろうと思えば、どんな立場でだって語ることができる。あなたが個人的にどのような意見を持っているのか、なんて関係ないのです。要は論証可能であるかどうか、だけなのだから。

 もちろんこれが高名な学者の書いた論文であれば。至る《結論》は同じ場所かもしれません。しかし《結論》へ至るまでのプロセスが凡人では真似できないような、秀逸なものであったりします。
 それが、本当の意味で価値ある論文と言うものなのです。

 しかしテストで書かされる小論文なんて、問題が突然出されて、研究期間も思索の時間もない。内容的には誰でも「思いつき」を書かされることになります。
 ですから小論文において「書くことがない」なんて悩まないでください。本当に自分では下らないと感じていることでも、きちんと説明できていれば、それでOKです。内容はあってないよーなもの。どうせどの解答者の内容レベルも変わったもんじゃありません。

 小論文のテストで問われるのは「書き方」の方なのです。
posted by はまさん at 19:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 連載:はま受験(完)

2007年01月10日

はま受験 小論文作法編 : 08/論をねじらない

目次:http://blogs.dion.ne.jp/hamalog/archives/3795085.html
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 文章をまだ書き慣れていない人が、どうしても犯しがちなミスについて説明させてもらいます。
 主語と述語をねじらないように注意しましょう。

 「主語と述語のねじれ」とは一体何なのかと言いますと。以下の例文を読むのが早いでしょう。
「ぼくの夢は、野球選手になって、ホームランをたくさん打ちます」

 夢についての文章なのに、気が付くと最後には夢についての話でなくなっています。読んでいて違和感を感じませんか? と言うわけで、この例文を訂正してみましょう。すると
「ぼくの夢は、野球選手になって、ホームランをたくさん打つことです」

となります。これなら読んでいて、納得できますね。
 実はこの例文、ひとつの文中に、ふたつの情報が入り込んでいるから、ややこしくなりがちなのです。ですから、この例文を分けてしまいましょう。
「ぼくの夢は、野球選手です。4番打者になって、ホームランをたくさん打ちます」

 ここまで訂正されてしまえば、もう「ねじれ」は感じられません。
 たった一文をいつまでもダラダラと書き続け、複数の情報を入れてしまうと、ねじれが生じてしまう確率が高くなってしまいます。書き慣れていないからこそ、文章は短く切る方が無難です。
 あと、修飾語は被修飾語の、できるだけ近くに置くと、文章が読みやすくなりますよ。

 ただし、以上は本来なら取り立てて説明するほどのことではありません。基本中の基本です。
 そこでここからは応用なのですが。主語と述語だけでなく、全体としての構成にも「ねじれ」と言うものが生じることがあります。つまりは「序論と結論のねじれ」と言うことになるでしょうか。
 例えば、このような構成をした小論文があったとします。
《失敗例》
●序論:環境破壊について語ろう
●本論:幼い頃に住んでいた故郷の話
●結論:故郷とは良いものえあるなあ

 《序論》では環境問題について問題提起されているのに、最後の《結論》になると、その話がなくなってしまっています。それだったら最初から、「故郷の素晴らしさ」について論じたものを書けよと言う話ですよね。
 このように話題が途中で変わってしまうと、読者はその作品の何を読めば良いのか。混乱することとなってしまいます。仮にも小論文であると言うのなら、最初から最後までで統一したテーマについて語ってもらわなくては困ります。
 と言うわけで、この失敗例を訂正するとなると、このようになるでしょうか。
《訂正例》
●序論:環境破壊について語ろう
●本論:幼い頃に住んでいた故郷の話
●結論:故郷のように豊かな自然を後世にも伝えてゆきたい

 簡単な話、最初に説明しようとしたことを、最後まできちんと一貫して説明しろ、と言うことですね。これだけだと大した問題ではないように思えます。
 しかし恐らくではありますが、小論文での最も多い失敗はこの「序論と結論のねじれ」によるもの。すなわち、構成としての失敗によるものではないかと、ボクは考えています。
 実際、構成の何たるか、なんて理解している教育関係者なんて、そう多くはないと思いますしね。正直、学校の授業で教えてくれるかどうか、すら疑問です。

 ちなみに「修飾語は被修飾語のできるだけ近くに置くと文章が読みやすくなる」と言うコツの応用で。何かの説明不足を補足する際は、その論の、できるだけ近くで補足した方が、作品は読みやすくなりますよ。

 ま、文章作法としては本当に基本的過ぎるくらいなのですが。ご存じない方がいるといけないので、念のために。
posted by はまさん at 00:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 連載:はま受験(完)