2007年02月08日

はま受験 志望校決定編 : 02/進学する理由

目次:http://blogs.dion.ne.jp/hamalog/archives/3795085.html
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 どうして「もっと上達したい人のための、小説執筆技術向上支援サイト」の管理人たるボクのような人間が、この『はま受験』みたいな進学受験講座みたいなことをやろうと思ったのか。もちろん国語の授業モドキならまだ、ボクの専門たる《ブンガク》の範疇でしょう。しかし、《文学者》にとって教育なんて門外漢なのではないか。そんなツッコミを入れている方は少なくないと思います。
 でも実は、小説家に憧れる中高生のいたいけな少年少女たちに進学を勧めることと、ボクが「小説家になりたい人を助けること」と。現代日本の社会システム上において、両者は全くの無関係と言うわけではないとボクは考えています。

 小説家になるためにはどうするか。問われるのは、才能の有無だけでしょうか。いいえ違います。「才能の有無」と言う偶然に頼っていて、名作が生まれることはありません。本屋に並んでいるライトノベルですら、古代より続く文学史の積み重ねの上にあるのです。そもそも、才能を持っている人間しかプロの小説家になれないのなら、小説市場はとっくに需要と供給のバランスが崩れていることでしょう。
 こと小説という知的生産行為において、偶然の余地が入り込む余地は、ほとんどありません。仮に、偶然で一作だけ名作を書けたとしても、プロとして生活するには、小説を書き続けなくてはならない。偶然と生まれもっての才能だけでは、プロとして何年も生活することは不可能です。
 ですから、あなたが絶対に小説家になりたいと言うのなら、自身の才能を磨く期間が必要となってくるのです。だから、真剣に将来は小説家になりたいと考えている人は、その夢と同じくらい真剣に、自らの進路について考えなくてはならない。

 インターネットの世界では、年齢の制限がほとんどありません。そしてボクは小説系サイトの管理人などをしていますから。しょっちゅう「小説家を目指すから進学しない!」と言う方を見かけます。じゃあ進学せずに何をするんだ、って話になりますよ。今すぐに小説家になれなかったとしたら、無職ってことになるのだよね。
 自ら退路を断つと言う行為は、全てを手に入れるか、さもなくば何も手に入れられずに破滅か、と言う結果しか出ません。とは言っても、成功確率二分の一ですらない。成功する確率は大抵の場合、宝くじ並に低いものです。そんな負けが決まった博打で人生を棒に振ってもよいのか、って話ですよね。
 勿体ないのですよ。輝く才能を秘めている人なら大勢いる。だがその才能も磨かれなければ、光ることはない。実際に、光るものを持っていながら、自らを磨くチャンスを逃してしまった人を、ボクは何人も見ています。
 だからこそ、今はとりあえず保険を確保しておいて、自分で自分を育てながらチャンスを待つ。真剣に小説家を目指していると自称している人ならば、そんな思想・人生設計が必要だと思うのです。

 すると、小説家を目指すのに考えられる進路は、いくつか存在します。1、社会に出て働きながら小説修行をする。2、小説系専門学校。3、大学進学。
 いろんな意味で、プーでニートは論外とします。また経済的な理由で進学が不可能だと言う方は、仕方がありません、社会に出て働きながら小説修行を頑張ってください。

 やっぱりね、フリーターでも社員でも、働きながら毎日小説を書き続けるのは辛いです。だって疲れるだけで、儲けにならないものね。
 もしもこれが、既に小説修行を修めて、そこそこ腕にも覚えがあると言うのなら、まだ救いはあります。いま就いている職よりも、小説家になった方が収入も増えると言う保証と確信があるのなら。堂々と小説家を目指して、さっさとデビューしちまえば良いのです。
 それ以外の。例えば、小説家になれる腕は持っていない、今から修行をする、なんて方は小説家を目指さない方が宜しいでしょう。保証のない夢に将来を託すなんて危険すぎる。負けが決まった博打を勧めるほどボクは無責任になれません。趣味で小説書きを続けるのなら兎も角としてね。

 つまり、小説家になれる確証がほしいのなら、社会に出るまでに、腕を磨く期間が必要となる。社会に出る以前、すなわち学生の期間である。
 つまりだ。学生期間が延びると言うことは、小説修行のチャンスが増えると言うことなんだよ! ……いや、いま自分でも自分が酷い発言をしているのは分かっているから、ツッコまないでくれ。
posted by はまさん at 00:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 連載:はま受験(完)

2007年02月01日

はま受験 小論文作法編 : 15/小論文の必殺テクニックを紹介

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 下準備は終わりましたか?
 では、件の超便利テクニックを紹介します。と言っても本当は、ちょっとした「工夫」に過ぎないのですがね。ただ実用的ではあります。

 プロットを前もって考えたら、内容の個数に合わせて、原稿用紙の行数を分割してください。内容の数が三個なら原稿用紙を三分割。内容が四個あるのなら四分割。内容が5個あるのなら五分割する。
 原稿用紙の上の方に、チョンと印をつけたので結構でしょう。

 すると、あら不思議。小論文を書いていて、今ちょっと内容が長くしすぎているなとか、短すぎるなとか、手に取るようにわかります。しかも試験時間の配分だって可能です。
 文章の長短を調整する方法は、ここの【補足:4】を参考にしてください。

 いきなり原稿用紙を渡されて、さあ800字詰め原稿用紙に小論文を書けと言われても、そんな芸当、文章の達人でもない限り無理です。例えるなら、下書きなしのフリーハンドで、大きなカンバスに絵を描くようなもの。小論文って本当は、かなり無茶な要求をされているのですよね。
 でも確かに、いきなり800字とか1000字とか書くのは無茶かもしれない。ならば、数行ごとに書けば良いのです。数行ごとなら、すぐ目の前にゴールが見えている分、定められたルートから外れることもありません。そのうえ内容を予め決めているので、論旨の定まった小論文を書きやすくなっている。
 そもそも、常に自分の立ち位置を確認できるので、焦りと言うものがなくなります。

 なぁんだ、こんな単純な手かと思われたかもしれません。しかし、単純ゆえに実戦的。単純ゆえに使い勝手が良い。優れた技術とは、そうしたものです。
 あっ、ただし小論文を書き終えたら、原稿用紙の印を忘れないように消しておくこと! 減点される恐れがあるので。

 小論文も結局は、基礎文章力の問題です。ただ基礎文章力と言っても実際には、慣れと経験と、このような「ちっちゃな工夫」の積み重ねです。そして小説書きの世界には以上のような、ちょっとでもラクチンに文章を書く方法が多く伝えられている。
 暇があれば本家サイトや、当ブログの他の記事を覗いてみてください。応用できる技法をそこかしこで紹介しています。

 ところで、ほとんどの方が忘れていると思いますが。『はま受験』は「小説家志望者のための受験対策講座」がその本質です。と言うわけで小説家を目指しているのなら、普段からブログやホームページで文章を書いていて、執筆馴れしているはずです。……はずですよね!?
 そう考えてみると小説家志望者は、ただ小説が好きだと言うだけで、現代文と小論文の分、他の人より受験において有利なのです。いやあ良かった良かった。

 と少しでもポジティブに考えておきましょう。
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2007年01月31日

はま受験 小論文作法編 : 14/小論文の必殺テクニック(下準備)

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 ずっとゴチャゴチャと説明してきましたが。実は、これだけやっておけば、ええのんとちゃうん? みたいな小論文用の技法があります。

 既にお教えしましたが、ちょっと差の付く小論文を書きたかったら、とにかく構成あるのみです。ですが構成なんてもの、理解できる人間は少ない。と言うわけでこの技法の出番。この通りに書けば、気が付かないうちに構成も論旨も整っている、と言う素晴らしい手法があるのです。
 ところで字数制限は、小論文における最大のプレッシャーと言えるでしょう。が実はこの技法、字数制限の問題まで何とかしてくれます。まあ便利。

 とその前にちょっとした下準備が必要です。
 まず内容を決めてから書き始めてください。プロットを作れ、と言うことですね。書きながら内容を考えようと思っていると、最後の最後で必ず後悔することになります。指定された字数に内容が不足していたり、追い越してしまったり、あげくは今自分が何を書いているのか分からなくなったりと。本っ当にロクなことになりません。

 ただし、プロットと言っても難しく考える必要はありません。ごくごく簡単なメモで結構です。「序破急」か「起承転結」の構成法に合わせて、みっつかよっつ。それぞれ一言ずつで構いません。
 一言でも書くことが予め決まっていれば、自ずと何が本論で何が補足なのかが決まってくる。すると、そうそう論旨がズレるものではありません。そして小論文において、論旨がズレない、と言うのは大事な要素となります。
 この「一言でも決めておく」と言う手法、実はハコガキ法のことです。

 構成は《はじめ》と《おわり》をまず考えて、あと《途中》が複数個。この《途中》の個数は適当に決めたので構いません。指定された字数と、考えた内容に合わせて、増やしたり減らしたりして下さい。図にするなら、つまり
序 破1 破2 破3 破4 破5 急

と言うようになるはずです。この場合なら《破》の番号・個数を、適当決めて良い、と言うことになりますね。
 先に内容の個数を決めてしまうと、発想が縛られてしまいます。ですから《破》の数は場合によって増減すると考えてください。書きやすいのが一番です。

 とここまでの準備作業。面倒なようですが、大して時間はかからないはずです。むしろ、いま自分が何を書いているのか分からなくなったり、先の展開に何を書けば良いのか分からなくなったり。小論文を書いている途中で、筆が止まってしまうことの方が、よほど時間のロスとなってしまいます。
 必ず行ってください。
posted by はまさん at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 連載:はま受験(完)

2007年01月25日

はま受験 番外編/面接のテクニック

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 《開放系》と《閉鎖系》の説明をしたついでです。小論文の必殺技をお教えする前に、面接に関する話をさせてもらいます。

 《開放系》と《閉鎖系》のテクニックは、話芸・話術のたぐいです。ゆえに面接の場においても、充分に応用可能となっています。
 例えば「志望動機は何?」と言う質問に対して、《閉鎖系》の答え方だと
「貴校の校風が気に入ったからです」

と返して、会話終了になります。これでは面接官に対して、あなたの個性や良さなど伝えられません。

 ですから《開放系》で質問に答えてみましょう。
「貴校にはこのような校風がありますよね。あるキッカケでこの校風について知ったのですが……」

と以降、個人的な事情の説明が続くことでしょう。

 面接官があなたの「返答」と言う「事実確認」をするだけの場になってしまい、「ハァ、そうですか」と無反応な相槌をさせるようではいけません。
 「ヘェ、そうですか」と反応が返ってくるようにする。相手の興味を引く。あなたの返答に対して、更に質問を重ねて返されるような話題の持って行き方を意識しましょう。

 このように《開放系》だと同じ情報量でも、会話のキャッチボールが行われる分、面接時間が長くなります。面接時間は決まっていて同じだと言うのなら、会話の密度が濃くなります。つまり同じ質問でも、答え方ひとつで面接官へのアピール量が変わってくる。そして面接なんてもの、好印象を記憶させた者勝ちの世界です。
 ちょっとでも会話のキャッチボールが行われたと言うことは、相手が自分に対して興味を持ってくれた証拠。そんな、興味を持った相手に対して人間、悪印象を抱けるはずがありません。

 《開放系》と《閉鎖系》の話芸とは、自分に対して好印象を抱いてもらうためのテクニックでもあるのです。
 ただし《開放系》ばかりだと相手が質問を返すのに疲れて、ウンザリしてしまうので、注意してください。

 面接の返答に必要なのは、会話のキャッチボールを行うことです。ただ答えを投げ返すだけではいけません。面接官に受け止めてもらいやすい言葉を意識しましょう。
 内容なんてどうでも良いのです。更に言うと、別に口下手でも構わない。面接における究極の目的とは、面接官をあなたとの会話・雑談に引きずり込むことだと思ってください。
 贅沢を言うのなら、オチ法を利用して質問に答えられるようになれば大したものです。

 面接は質問を返すだけの場ではありません。質問を返すことにより、あなたと言う個性を「買って」もらわなくてはならない。そのための面接とは、プレゼンテーションの場です。「プレゼン」という言葉を知らないのなら、「営業活動」、「売り込み」と言い換えても良いでしょう。

 ……とは言っても。
 一流企業の入社試験でもない限り、どこも専門の面接官を雇うような余裕はありません。大抵が、学校なら先生か職員、企業なら上司が、仕方な〜〜くやるものです。
 そして、どうせ普段は偉そうに言ってみたところで、本当の「人を見る目」なんて誰も持っていません。本当に「人を見る目」を持ちたければ、それなりの経験と学習が問われるものなのですよ。ですから、まず普通の面接官に判断できるのは、せいぜいが、相手が《電波系》かどうか、くらいのものです。

 以上の条件範囲内で個性をアピールするにはどうするか。もちろん社会的マナーを守って、悪印象を与えないのは最低条件として。
 楽しく日常会話ができる、と言うのは最高の好印象になるでしょう。面接もただ受けるだけではない。いかに面接官を楽しませるか、なんて意識を持っているのと持っていないのとでは、かなりの差が生じるはずです。
posted by はまさん at 01:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 連載:はま受験(完)

2007年01月23日

はま受験 小論文作法編 : 13/小論文はオチが命(4)

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 このオチの作り方。実はもともと、小論文作法ではありません。更には小説技術ですらありません。あえて分けるなら当作法は、話芸・話術のたぐいと言うことになります。
 こうした話し方ひとつで、口下手か、口が上手いかが決定します。性格が内向的だから口下手で、外向的だから口が上手い、などと決定することはありません。本当に腕のあるお笑い芸人ならばコントだけでなく、素人とトークをさせても面白いものです。これは、基礎技術として話芸を身に付けているからなのです。

 「聞き上手は話し上手」という言葉があります。「それで?」やオチは、相手の問いかけを自然と引き出すための、いわば技術なのです。こうした、会話相手が参加する余地のある話し方を《開放系》と言います。また《開放形》とは逆に、会話相手が参加する余地のない、もしくは参加する必要のない会話を《閉鎖系》と言います。
 注意しておくと、別に《閉鎖系》の会話をしてはいけない、と言うことではありません。報告や連絡など。情報伝達そのものが目的になっている会話ならば自然と《閉鎖系》になります。もしこれが小論文の場合でなら、情報のみで読者の知的好奇心を満たしてやれば、《閉鎖系》でも構わないと言うことになります。

 以上の作法は、小説やエッセイを書く際にも役立つはずです。「読者が興味を引かれるような書き方をする」と言う意味では、どんな文章でも基本はあまり変わりません。
 大事なのは、原稿用紙の向こうには読者と言う、自分と対等の、肉体と主体性を持ったひとりの人間がいると言う感覚を持つことです。

 ……「原稿用紙の向こう」って今はモニターだろう、だなんて言わないように。基本的にボクは古いタイプの人間なんで、今でも書いた文章は400字詰原稿用紙換算なんですよー。
posted by はまさん at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 連載:はま受験(完)