2016年09月14日

読了『モラルの起源』クリストファー・ボーム

 まず著者は、狩猟民族にとって肉の分配は集団においてリスク軽減のための保険システムだった。ゆえに人間は公平さという「評判」による社会選択を繰り返してきた。
 だから人にとって「良き社会」とは、寛容な社会である。人はDNAをそう選択し、進化してきたのだと説く。

 だがその「良き社会=寛容さ」も、フリーライダー(ただ乗りする人)が台無しにしてしまう。フリーライダーとは例えば、嘘つきの泥棒であり、皆の富を独り占めする乱暴者だ。
 社会に寛容さが増せば、社会にはフリーライダーが横行する。フリーライダーが増えれば、社会から寛容さは失われる。
 人間社会おてゃ、こうしたフリーライダーをどう抑圧するかの戦いだった、とも著者は説く。

 そしてグローバリゼーションの現在。全世界の人類が、ひとつの社会の成員であるかのように振る舞わなくてはならなくなった。
 かつての昔、人がまだ小さな集団に属していれば良かった時代ならば。隣に嫌なヤツがいるなら、引っ越せば良かった。しかしグローバル化した地球に逃げ場は残ってない。
 そして国の不和を解決できなくなったから、戦争するしかなくなったという。
 果たして人類は、ならず者の「フリーライダー国家」から逃げられなくなった地球上で。いかに規律と寛容さを保つべきなのか、という内容。

 そうした論拠を、比較人類学、類人猿の生態、考古学といった多彩な文献から浮かび上がらせる。 特に動物行動学的、ダーウィニズム的な理論へのこだわりは、いかにもアメリカらしいというか。
 けど「社会の富をひとりじめにする、不寛容な乱暴者」って、当のアメリカのことだよね(笑) ……と明言しないのも、アメリカらしいというか(苦笑)

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2015年10月23日

読了『「日本人」とは何者か?』別冊NHK・100分de名著

 実は既に何冊かの原著を読んでいる。おさらいと、暇つぶし目的で読むことに。

 途中から、各有名人の自分語りになってしまい、本題から逸れてしまっている箇所が割とあった。それも名著ゆえ、どうしても一家言を持ってしまうのだろう。

 だから解説書としては不親切だが、そういう本なのだから仕方ない。有名の感想文として読めば良いだろう。
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2015年08月03日

2014年03月30日

読了『修業論』内田樹

 多くの感銘を受けた。語ろうと思えば、単なる要約になってしまうくらいに。だから詳しい内容は、皆も読んでくれ。

 個人的な話になるが。スポーツ経験者ほど、案外に小説修行の上達が早かったりするのだけど。これは本書でも語っていた、つべこべいわずにやる習慣が身についているためかと納得。

 恐らくこの先、世界情勢は荒れに荒れるだろう。そんな将来に必要な知とは、サバイバルになると思っている。
 だけど、生き残れるかどうか、分からない状態だからこそのサバイバルなわけで。じゃあ、知は、教育はどうするべきなのか。本当に良い道しるべを提示してくれたと感じた。

posted by はまさん at 23:36| Comment(0) | 感想的(思想・哲学)