2009年09月10日

小説書きのための構造主義(26)

前回 ・ 次回
■上位概念と本質(1)

 物語の構造分析とは、「要約」とはまた違うし。「ストーリーの構成分析」でもなければ、「設定の分析」でもない。
 構造分析には、構造のための作業が必要だ。

 ならば、どんな作業なのか、簡単にいってしまうと。
 物語を《抽象化》してゆくと、表面上の違いが消滅して相対的に《上位概念》として同じになってしまう。これが物語の構造である。
 ……とはいっても分からないだろうから、ひとつひとつ詳細に説明しよう。

 《相対》とは何かについては、すでに説明してあるので、もう必要ない。ならば後は、《上位概念》と《抽象化》について知れば良いということになる。
 だが実は《上位概念》が分かれば、同時に《抽象》も理解できてしまうものなのだ。そこで、まずは《上位概念》について知るとしよう。

 上位概念について知るためには、最適の問題があるので、皆さんも試しに答えてもらいたい。大丈夫、小学生並みの問題だから。
 問題。以下の項目を、2種類に仲間分けしてください。また、どのような理由で仲間分けをしたのか、説明してください。
【問題】
メダカ マグロ 自動車 ドジョウ 電車 大八車 サメ 自転車

 正解の分け方は「自動車、電車、大八車、自転車」と「メダカ、マグロ、ドジョウ、サメ」。分けた理由は、「自動車、電車、大八車、自転車」が「くるまの仲間」で、「メダカ、マグロ、ドジョウ、サメ」が「さかなの仲間」だから、ということになる。
 ……他の仲間分けができた、って人は勘弁してください。

 では、どうやってこのような分け方になったのだろうか。答えが出るまでの過程を丁寧に辿ってみよう。
 まず「自転車、大八車」は自分で動かす車である。「自動車、電車」は動力のある車である。「メダカ、ドジョウ」淡水魚である。「マグロ、サメ」海水魚である。

 こうして4種類の仲間分けが出来た。だが問題文には2種類に仲間分けしろ、とある。4種類では、まだ多い。そこで更に分け方を大雑把にすることにしよう。
 自分で動かしても、動力があっても、同じような車がついている。だから「自転車、大八車」と「自動車、電車」も、「くるまの仲間」である。
 海水に棲んでいても、淡水に棲んでいても、魚類と考えれば似たようなものである。だから「メダカ、ドジョウ」と「マグロ、サメ」も、「さかなの仲間」である。
 と、これで2種類に仲間分けが行われました。

 では以上の作業でいったい何が行われたのだろうか。

つづく
posted by はまさん at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 連載:構造主義教室
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/86265001
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック