2018年02月15日

読了『安岡正篤一日一言』安岡正泰

 この安岡正篤という人。昭和最大の黒幕と呼ばれたりしているんだが、皆さん各人でちょっと調べてみると面白いかもしれない。

 じゃあ、どんな考えを持った人なのかと読んでみたのだけれど。読み進めるうち……どうも最近になって始まった、学校の道徳科目。もしかして、この人が元ネタなんじゃなかろうか、と思えてきた。
 確かに昭和の大物政治家たちに影響を与えてきた人だし。それはあるのかもしれない。
 けど、それほどに素晴らしい教えなのか? 時代を超えた思想なのか? となると話は違ってくる。

 ものすごい大雑把な話。江戸時代後期にかけて国学てのがあって、日本の古典を勉強しようという人たちがいた。
 するとそのうち、日本独特の精神だということで天皇万歳とか言い出して。まあ尊皇攘夷運動になったり。廃仏毀釈をやらかしたりした。

 恐らくこの安岡という人は、そうした当時の風潮に合致した、最新流行の思想家だったのだろうなと。
 本書を読んでいて、何度も理論の矛盾や、安岡という人の横柄な態度が気になってしまう。
 他人を戒めている自分の言葉に、当の自分も当てはまっているのに気づいてませんよ、てなことが何度もある。

 人徳や人を見る目に関して、伝説のように語られている人だけど。これ絶対、生徒の中にかなりの「いらんことしぃ」もいたはず。
 というかそれほどの完璧超人だったならば。前の戦争だって、ああまで致命的な結果にはならなかっただろうし。
 ……第一、本当の超人だったならば。老いらくの恋の相手があの人て!? ないわー。

 というわけで、まあ頭は良いけれど、それ以上に時代と周囲が持ち上げてくれた人なのだろうなと感じた。
 現代に通用するとは限らないけれど。昭和を形作った空気、その空気の元となった思想とは、どのようなものだったのか。知るための参考になりました。

posted by はまさん at 22:21| Comment(0) | 感想的(思想・哲学)
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